4つの工事分野で、それぞれのスペシャリストが
受け継がれた最先端の技術力で、
車両をメンテナンスしています。
- Electric電気工事
- Painting塗装工事
- Assembly組立工事
- Ironworks鉄工工事
Electric電気工事
電車に必要不可欠な電気機器を担当。
LED照明やWiFi環境の整備など進化に対応します。
電気工事の作業は、電車にとって必要不可欠である電気機器を新規に取り付けたり、古くなった機器を更新して車両の延命に取り組んでいます。
車両の電気機器は年々進化していて、最近では消費電力が低いエコな機器が増えてきました。例えば、お客様にとって身近な物といえば車内灯です。従来の蛍光灯からLED照明になり、消費電力が約50%削減できると言われています。
また、事故を防ぐためのATS(自動列車停止装置)などの保安装置や冷房装置をはじめ、近年では車内のWiFi環境や自動放送の整備から車内案内表示器など、お客様が快適に安全にご乗車できるような機器も私たちが取り付けています。
電気工事班は、長年走っている車両も最新の機器に更新し、お客様に安心と安全をお届けすることを誇りに、日々車両整備の業務に取り組んでおります。
主な業務リストActivity list
- ◎リニューアル更新工事
- ◎ATS改良工事
- ◎自動放送取付工事
- ◎空調機器更新工事
- ◎列車無線更新工事
- ◎床下機器更新工事
- ◎機器配線結線◎電気配管設備
- ◎耐電圧試験
- ◎全般重要部検査
- 他
車両ワンポイント電車で使用されている電気は、実は2種類ある!?
電気と聞くと種類は全部同じだと思いませんか?実は、電気には大きく分けて2種類存在します。
電車を走らせるための制御器や、駆動モーターなどの高出力な電気を必要とする機器には高圧電流が、車内照明、冷房装置などのサービス機器には低圧電流が使われており、それぞれ分かれています。気にしないと気付かないところも電気の面白いところかもしれませんね。
組立工事
何百回も開閉するドア、快適に座れる座席シート。
車内の当たり前を、細やかな工夫を凝らして守ります。
組立工事の作業は、腰掛け座席シート、ドア、窓、サンシェード、よろい戸、吊り革、床、天井など、乗車時に数多くのお客様から見える場所や、お客様が触れる場所の整備を担当します。「どんな物でも見た目が悪ければいい商品とは言えない。」ですよね。例えば荷物を置く荷棚などの長尺物などは、ただ価値的な直線で取り付けても真っ直ぐには見えません。真っ直ぐに見えることを考慮し、一部だけワザと少し曲げて取り付けています。真っ直ぐ取り付けると口で言うことは簡単ですが、なかなか奥深いものがあります。
もちろん見た目だけではありません。車内に取り付けられている物の整備も組立工事の大事な仕事です。特に可動部の整備は確実に行わなくてはなりません。乗車の際に必ず開くドアは、整備があってこそ一日に何百回も開閉します。日の光が眩しい時に下げるカーテンも誰かが整備しているからこそ、当たり前のように使うことができます。
このように、私達はお客様の「当たり前を当たり前にする」べく毎日作業しています。
主な業務リストActivity list
- ◎全般重要部検査(自動車の車検)に伴い入庫してきた車輌の車内取り付け部品の整備、動作確認および不具合箇所の補修、取り換え作業。
- ◎床面に使用されている敷物の劣化による張り替え作業、それに伴う下地の補修作業。車内の仕様変更などリニューアル化工事。
- ◎時代に合わせた車内の改造工事等
- 他
Painting塗装工事
熟練の技術者が、手の感覚、資格、経験を生かし、
マルーン色に輝く美しい阪急電車を送り出しています。
塗装工事の作業は、車両全体(屋根上、車体、床下)を修繕、補修し塗装する作業を担当しています。特に、関西の人々から長年親しまれている伝統あるマルーン色をより美しく仕上げるよう試行錯誤を重ねながら技術向上に励んでおります。
熟練技術になると、手の感覚、視覚、経験などを生かして、車体の凹凸を平らにしたり、色艶などの塗り加減を把握することができるようになり、数ミクロン〜数ミリメートルの世界までこだわった仕上がりを追求しています。このように作業者一人ひとりが工夫を重ね、より美しい阪急電車を送り出し、お客様に満足していただけるよう日々精進しております。
他にも、塗装作業だけでなく、クーラー洗浄や車内、床下など、車両各所の洗浄も行っています。
また、様々な鉄道会社様から塗装依頼をいただいており、日々阪急電鉄で培った塗装技術を駆使して、信頼できる塗装技術の提供をさせていただいております。
主な業務リストActivity list
- ◎外板下地補修(パテつけ)
- ◎外板研磨作業
- ◎部品塗装
- ◎内部洗浄
- ◎車両塗装
- ◎各種塗装作業
- 他
車両ワンポイント阪急伝統のマルーン色を守り続ける。
阪急電車のマルーン色は修理の度に、毎回塗り直しています。1910年(明治43年)、梅田ー宝塚間と箕面ー石橋間をマルーン色に塗った木造ボギー車両18両が走って以来、阪急電鉄はマルーン色を普遍カラーとして守り続けています。現在では、車体自動塗装装置を使用し、多くの工程が自動化されていますが、外板の凹凸をなくして平滑にするための下地パテ作業などは、今も手作業で行っており、これが仕上がりの素晴らしさに反映され、非常に評価されています。
Ironworks鉄工工事
車体外板の穴の補修や、機器の骨組み作りなど、
見えない部分を強固に支える縁の下の力持ちです。
鉄工工事の作業は、普段の走行中の車両からは見えない場所の補修が多いです。
車体外板が腐食して穴が空いている所は、切り取って、新しい板を溶接で継ぎます。検査完了後に塗装工事の作業者がきれいに下地(パテ)補修をするのできれいに見えなくなります。
運転台や客室等に、新規で機器を取り付ける場合も、その機器に合わせた骨組を溶接で取り付けます。その後、内装パネルの取付、機器の取付をすると骨組みは見えなくなります。
リニューアル工事では、アルミ車の柱の根元や、床板台枠の重要部に補強を溶接する事により車両の強度を高めています。鉄工工事班の仕事は普段は目には見えませんが、阪急電車の安全をしっかりと縁の下で支えています。
メンテナンスが必要な車両が工場に入ってきて、修理が終わった後には新品同様になって仕上がる喜びは格別です。
主な業務リストActivity list
- ◎車体外板切継
- ◎柱や骨の補修や取替
- ◎床板の張替
- ◎雨樋補修
- ◎溶接作業に伴う歪みや曲がりの歪み取り
- ◎戸袋部のすき間調整
- ◎各種工事の部品製作
- ◎シャーリングやガスを使用した切断作業
- ◎プレス曲げ加工
- ◎ボール盤穴開け作業
- ◎研磨加工
- ◎電気溶接(アーク、半自動、TIG、MIG)◎ガス溶接
- ◎ガス切断
- ◎床下機器梁取付
- ◎空気配管
- ◎戸閉機調整
- ◎自動窓エアシリンダー取替
車両ワンポイント電気だけじゃない。電車は空気の力でも動いている。
電車といえば、全て電気の力で動いていると思いがちではないでしょうか。実は、電力の他に、空気の力で動いている物もたくさんあります。
例えば、入口の扉や自動開閉窓、二人掛けの転換座席、パンタグラフの上昇は電磁弁で制御されていますが、下降時は空気の力を使用しています。車両のブレーキも空気の力で掛けているんですよ。大きな車両が安全にたくさんの人を運ぶために、電気だけでなく様々な力を組み合わせた仕組みになっているのですね。
Othersその他の専門部署
Pantograph集電装置班
電車に電流を導き入れる
パンタグラフを専門に整備します。
電車の屋根に取り付け、架線との接触によって電流を導き入れるパンタグラフの整備を担当してる専門部署です。電車の主要な動力を担う電気を、安全かつ効率よく車内に取り入れるための、大変重要な役割を担っています。
Parts cleaning大型部品洗浄装置班
高圧洗浄機により走行中に付着した
台車や車輪の汚れを落とします。
台車、車輪などの洗浄を行う専門部署です。グリスや油をとる前作業を行った後に大型の高圧洗浄機にかけて、複雑な車輪の細部まで美しく洗浄します。安全に電車を走行させるために欠かせない大切な作業工程です。